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胃・十二指腸の病気

薬剤・胃酸・ピロリ菌感染の影響による胃・十二指腸潰瘍や、胃がん・十二指腸がんなどがあります。

胃がんの早期発見はとても重要です。まずは拾い上げ診断として白色光観察で粘膜面の色調変化と隆起・陥凹などの形態変化を確認します。そして精密検査として色素内視鏡、狭帯域光観察、拡大内視鏡観察を組み合わせ、腫瘍/非腫瘍の鑑別や、腫瘍であれば範囲診断・深達度診断をリアルタイムに行います。
内視鏡的診断能力は一昔前に比べて格段に上昇しており、診断アルゴリズムも加速度的に進化を遂げています。①早期がんの拾い上げ診断から質的診断を行う事、②病変の浸潤範囲・深達度・組織型などを術前に内視鏡診断することが求められる時代となっています。

機能性ディスペプシア(FD)・神経性胃炎 

胃痛/心窩部痛/胃もたれ感/お腹の張り/原因不明な食欲低下/体重減少 

内視鏡検査を行っても異常がないと言われたが上記の症状を認めるという方は意外に多いです。目に見える病気だけが病気でないところが治療をややこしくしていると考えます。

みぞおちの痛みや違和感、胃もたれなどの上腹部症状を認める場合、逆流性食道炎、胃がん、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、ピロリ菌感染胃炎などの器質的疾患が無い場合、機能性ディスペプシアが考えられます。

普通の食事量でもつらいと感じる食後のもたれ、間欠的な心窩部痛、排便やガスでは改善しない心窩部痛などの症状を認める時は、胃の蠕動運動(食べ物をすり潰して吸収しやすくする胃の筋肉の運動)の異常を改善することで症状の緩和が出来ますのでお困りの方はお気軽に相談下さい。

胃炎

心窩部痛/胃痛/背部痛/嘔気・嘔吐

急性胃炎

ストレス/暴飲暴食/過度な飲酒/喫煙/アレルギーなどが原因となり胃粘膜に急性の炎症が起こり急性胃炎を引き起こします。上記が繰り返されることや、ピロリ菌感染により胃粘膜の炎症が慢性化すると慢性胃炎と推移します。

慢性胃炎

2013年2月にピロリ菌感染胃炎に対する除菌治療が保険収載されて、日本ではピロリ菌除菌による胃がん予防が積極的に行われています。
内視鏡によって胃がんを早期発見し内視鏡により早期治療を行うことは、ますます重要視されています。

慢性萎縮性胃炎の内視鏡診断は「木村・竹本分類」により胃粘膜の色調・血管透見像・萎縮境界を確認することで胃炎の広がりを評価します。
さらに、2015年に胃がんの発生リスクやピロリ菌除菌後胃がんの発生リスクを評価するために「胃炎の京都分類」が提唱されました。この胃炎の京都分類ではピロリ菌未感染・ピロリ菌現感染・ピロリ菌既感染をスコア化して評価します。
個々の胃がん発生リスクや除菌後胃がんの発生リスクの評価にも力を発揮されると報告されています。

ピロリ菌未感染の胃粘膜は通常の胃がんの発生リスクは低く、胃粘膜萎縮が高度なピロリ菌陽性胃粘膜では分化型胃がんの発生リスクが高く多発しやすいと言われています。

ピロリ菌現感染慢性胃炎では除菌治療が推奨されています。除菌治療により胃がんの発症は1/3に減少すると言われており、現在多くの方がピロリ菌除菌治療を行っていますが、除菌後胃がんのリスクもあるため、ピロリ菌除菌成功後の方は特に定期的な胃カメラ検査が推奨されます。

鳥肌胃炎

胃前庭部を中心に小結節隆起が密在します。組織学的には上皮粘膜の過形成とりんぱ濾胞と診断されます。問題点はピロリ菌現感染の鳥肌胃炎では未分化型胃がんの合併が高いことです。

A型胃炎

1973年にオーストラリアのStricklandとMackayが提唱した胃炎であり、悪性貧血の原因の1つであります。胃炎の京都分類に基つく胃炎の評価によりより診断できる機会が増えています。血中抗胃壁細胞抗体が陽性であることが当疾患の診断基準になるが、高度萎縮病変では壁細胞が消失していることが少なくなく、血中抗壁細胞抗体が陰性なことが多いと言われています。内視鏡的には逆萎縮が有名で高ガストリン血症(>700pg/ml)が診断に有用です。

A型胃炎は悪性貧血・胃がん・胃NENのリスク因子であると同時に、ABC検診の胃がんリスクD群にグルーピングされますので注意を要します。

十二指腸炎

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃痛/胸焼け/腹部違和感/胃部不快感/吐血/黒色便/冷や汗

胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、ピロリ菌や非ステロイド性抗炎症薬(痛み止め)/飲酒/喫煙.胃内の過酸状態などにより、胃や十二指腸粘膜が深い炎症を起こす病気です。

上記の症状を認め、さらに病状が進行すると、出血し吐血/下血、潰瘍が深くえぐれ穿孔(穴が開く)し腹膜炎など重篤化することもあります。

基本的に内服加療で対応可能ですが、十二指腸潰瘍が増悪し穿孔した場合は良性疾患ですが外科治療を要することがあります。よって内視鏡検査で確認することが大切な疾患の1つです。

ピロリ菌現感染・除菌治療

慢性の胃痛/胃部不快感/慢性胃炎・鳥肌胃炎/ピロリ菌除菌/ピロリ菌の相談

2015年に胃がんの発生リスクやピロリ菌除菌後胃がんの発生リスクを評価するために「胃炎の京都分類」が提唱されました。胃炎の京都分類ではピロリ菌未感染、現感染、既感染に分けてスコア化して評価されています。
一般にピロリ菌未感染の胃粘膜は通常の胃がんの発生リスクは低く、胃粘膜萎縮が高度なピロリ菌陽性胃粘膜では分化型胃がんの発生リスクが高く多発しやすいです。
日本では2013年慢性萎縮性胃炎のピロリ菌除菌が保険収載されてから、除菌治療が広く普及し(現在年間160万人が除菌治療されています)ピロリ菌感染胃がんは減少しています。しかしながら除菌後胃がんの増加もみられ、様々な研究により除菌後胃がんのリスクが分かってきました。
 <除菌後胃がんのリスク>
  〇  男性
  〇  除菌時高齢
  〇  高度腸上皮化生
  〇  高度萎縮粘膜 黄色腫
  〇  多発胃がん
特に除菌することで胃上皮粘膜の炎症の変化を認めるため周囲の正常粘膜と胃がん部との境界がはっきりしないことが少なくありません(胃炎様(gastritis like appearance))。
ピロリ菌未感染胃がんは胃型分化型胃がん(腺窩上皮型、胃底腺型)、腸型分化型胃がん、未分化型胃がん等に分類されます。

当院ではヘリコバクターピロリ菌の除菌治療を積極的に行っています。ピロリ菌の検査は呼気で判定する尿素呼気試験、胃カメラで胃粘膜を採取する検査、便を採取する便中抗原検査、血液で確認する抗体検査等があります。その方に合った検査方法をご提示致します。ピロリ菌治療はガイドラインに沿って検査を行い保険診療の範囲内で治療の完結ができます。内服薬で除菌できますのでお気軽にご相談ください。

ただ、どうしても胃カメラ検査は絶対に受けたくないがピロリ菌の有無を知りたい等の要望がございましたら自費診療で対応可能ですのでご相談下さい。

胃ポリープ症(胃隆起性病変)

ほとんどが無症状で胃透視検査や胃カメラ検査で指摘される隆起型病変。

Ⅰ型早期胃がん
 主として分化型であり、病変基部に扁平病変を伴うことがある。粘膜がんでは発赤調、顆粒状~粗大顆粒状で不整であり、表面に白苔を伴う事もある。

過形成性ポリープ 
 発赤調が強く多発傾向なポリープ。表面は規則性のある管状形態を呈する。1%強にがん化を伴うので注意を要する。過形成性ポリープはピロリ菌感染との関係性も指摘されており除菌により縮小することもあります。また、病変のsize upを認めポリープ自体が貧血の原因を疑う場合は内視鏡切除術を行う事もあります。

胃底腺性ポリープ
 胃底腺領域に認める正常色調のポリープ。多発傾向が多い。
 遺伝性疾患の家族性大腸腺腫症 Familial Adenomatous Polyposis:FAPでは胃病変として多発病変を認め、胃がんのリスクとの報告もあります。

接合部炎症性ポリープ
 食道・胃接合部の小弯側に認めるポリープ。表面は淡い点状発赤を伴うfoveolar hyperplasiaから成る。食道側に逆流性食道炎所見を認めることが多い。

胃腺腫
 小腸型胃腺腫は褪色調の扁平な隆起性病変として確認できる。形状・サイズが均一な粗大顆粒を呈し、周囲の正常粘膜との境界は比較的明瞭である。がん化を伴う事があるため注意が必要である。
  <がん化を疑う所見>
 〇 サイズの急速な増大
 〇 病変の発赤調が強い
 〇 病変の丈の高さが高い
 〇 易出血性でoozing bleedingを認める

ラズベリーポリープ(腺窩上皮型腫瘍)

 最近報告され始めているポリープです。背景胃粘膜に萎縮は認めないが、過形成性ポリープ様の発赤が強い脳回状ラズベリー様形態をとるポリープです。がん化を伴う事があります。

隆起性びらん
 たこいぼびらんとも言われる良性びらん。多発傾向のある炎症に伴う浮腫が隆起の本体の病変。隆起の中央に陥凹を伴う。円形で発赤調であり、分化型0-Ⅱc型早期胃がんが鑑別に上がる。

胃がん・十二指腸がん

腹痛/吐き気/嘔吐/食欲低下/食事が細くなった/体重減少/貧血

胃/十二指腸にできるがんであり、アジア圏では胃がんの発生率が高いと言われています。また早期がんは自覚症状がほとんどなく初期での発見は難しいと言われています。検診/健診で偶然見つかることも多く、内視鏡検査が一番の早期発見に繋がります。進行すると腹痛/吐き気/嘔吐/食欲低下/体重減少/貧血等の症状を認めることがあります。

胃がんはヘリコパクター・ピロリ菌の関与が示唆されています。ピロリ菌に感染した全ての人が胃がんになるわけではありませんが、現在ピロリ菌の除菌治療が胃がんに罹患するリスクを低下するという研究結果が報告されています。ピロリ感染していることがわかれば除菌療法が推奨されています。

非乳頭部十二指腸腺腫・がん(SNADET)

全消化管がんの1~2%と言われています。生検での診断率も70%ほどと腺腫(良性腫瘍)と早期がん(悪性腫瘍)の鑑別が難しい疾患です。腸型タイプ(白色調、平坦隆起型、下降脚)と胃型タイプ(発赤調、隆起型、球部)に分類されます。

胃憩室症

無症状で胃透視検査や胃カメラ検査で偶然発見されます。胃にクレーター状(凹状)の穴が開いている状態です。治療の必要はありません。

アニサキス症

アニサキス魚介類摂取後の突然の腹痛・胃痛/嘔気/嘔吐

アニサキスは寄生虫(線虫)の一種です。その幼虫(アニサキス幼虫)は長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の太い糸状です。サバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類に寄生しており、それを食べることで、アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。

 胃内にアニサキスがいる場合は胃カメラにてアニサキス虫体を除去できますが、小腸まで迷入した時は場合によっては腸閉塞を来し入院治療を要することもあります。  よって、魚介類摂取後の突然の腹痛、嘔気・嘔吐を認めた場合は速やかに受診されることをお勧め致します。

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