腹痛外来
腹痛を引き起こす原因疾患
①過度なストレス、暴飲暴食、香辛料、アルコール、喫煙
③食道裂孔ヘルニア
④食道アカラシア
⑤Mallory-Weiss症候群
⑥機能性ディスペプシア
⑦ピロリ菌感染に伴う慢性胃炎(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんのリスク因子)
⑧急性胃炎、急性胃粘膜病変(AGML)
⑩胃潰瘍、十二指腸潰瘍(ストレス、薬剤(鎮痛剤、ステロイド)、ピロリ菌現感染)
⑩輸入脚症候群
⑪上腸間膜動脈閉塞症
⑫急性膵炎、慢性膵炎
⑬胆石症(胆石発作)、急性胆のう炎、急性胆管炎
⑭肝胆膵がん(肝細胞がん、胆嚢がん、胆管がん、膵臓がん)
⑮食中毒、感染性胃腸炎(細菌性、ウイルス性)
⑯虚血性腸炎
⑰急性虫垂炎
⑱大腸憩室症
⑲炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
⑳過敏性腸症候群
㉑便秘症
㉒消化器がん(食道がん、胃がん、十二指腸がん、小腸がん、結腸がん、直腸がん、肛門管がん)
㉓腸閉塞(麻痺性、癒着性、絞扼性)
㉔腹膜炎(限局性、汎発性)
㉕腸管嚢胞性気腫症
㉖泌尿器科系疾患(尿管結石、腎結石、急性腎盂腎炎)
㉗婦人科系疾患(子宮外妊娠、骨盤内感染症、卵巣捻転、子宮内膜症、子宮腺筋症)
㉘腹部大動脈解離・破裂
㉙糖尿病性ケトアシドーシス
腹痛の考え方
胸~腹部には様々な重要臓器があるため、腹痛の原因は上記のように非常に多岐に渡ります。よって下記を問診・診察で確認し診断の絞り込みに入ります。
Ⓐ年齢
Ⓑ性別
Ⓒ疼痛部位(前胸部痛、心窩部、背部、下腹部、左右、肛門部)
Ⓓ発症様式(急性、慢性)
Ⓔ症状の持続時間
Ⓕ随伴症状(血便、血尿、発熱、嘔吐、背部痛、胸焼け、胃痛(心窩部痛)、腰痛、黄疸、便性状、体重減少、貧血)
Ⓖ腹部手術歴
Ⓗ基礎疾患
検査
診断に結び付けるために最適な検査(採血、検尿、レントゲン、腹部エコー、内視鏡検査、CT検査等)を行います。腹痛の原因が分かることで適切な治療アプローチに結び付けることが出来ます。
〇 血液検査(炎症、貧血の有無の確認)
〇 腹部エコー検査(消化管の浮腫、胆のう結石、腹水の有無が分かります。実質臓器の状態確認に有用)
・逆流性食道炎、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、アニサキス症、消化器がんを疑う際は直接粘膜を確認します。ピロリ菌現感染であれば胃がんの原因となりますので除菌治療に繋がります。
・ピロリ菌未感染・既感染の方は逆流性食道炎、バレット食道を有することが多く、バレット食道は食道腺がんの原因となるため、胃カメラ検査が有用です。
・早期胃がん、表在性食道がんを認めた場合は内視鏡治療に結び付けることが可能です。
・虚血性腸炎、感染性腸炎、憩室症、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、大腸がん(結腸がん、直腸がん、肛門管がん)を疑う際は直接粘膜を確認します。
・大腸腺腫、早期大腸がんを認めた場合、内視鏡治療に結び付けることが可能です。
・便秘が持続する場合、原因精査として大腸カメラ検査を行う事で進行大腸がんによる腸管閉塞起点の発見に繫がることも少なくありません。