3次除菌
3次除菌の対象者
①ピロリ菌1次除菌、2次除菌が失敗された方 |
②ペニシリンなどの薬剤アレルギーがあり、ピロリ菌除菌が未実施の方 |
薬剤アレルギーのピロリ菌の除菌
特に、抗生剤のペニシリンにアレルギーがある方はそもそも保険適応の1次除菌・2次除菌薬に含まれるペニシリンを用いることができませんので、自費診療によるピロリ菌除菌治療となります。
ペニシリンアレルギーの方はペニシリンを用いない除菌のレジメンで対応いたします。ご希望の方はまずはお気軽にご相談ください。
除菌治療
上記条件を満たしたレジメン(保険適応対応のピロリ菌除菌薬と同等の除菌率と報告されている)を用います。内服後はしばらく時間を空けて薬剤の効果を待ちます。適切な時期に治療効果判定を行います。3次除菌以降は自費診療となります。
除菌薬による偶発症
短期間で集中的に抗生剤を内服しますので、ある一定数で偶発症が発症することがあります。下痢、下血、嘔気、皮疹(皮膚のアレルギー症状)、味覚障害等が挙げられます。内服による影響ですので除菌治療薬の内服の中止し、速やかに医療機関にご相談ください。
ピロリ菌除菌で得られること
上述の如く、ピロリ菌感染は慢性萎縮性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃癌、胃過形成ポリープ、胃MALTリンパ腫などの疾患群との関連性を指摘されています。
ピロリ菌感染関連疾患はピロリ菌除菌を成功させることでリスク軽減につながります。
胃癌から見ると、日本人の胃癌の98%以上はピロリ菌感染が関連していることが分かっております。よってピロリ菌除菌を行うことで、胃癌発生リスクの減少に繋げられると言われています。
ピロリ菌除菌後の問題点
胃酸分泌の活性化
ピロリ菌除菌が成功することで、胃粘膜の炎症が改善して胃酸分泌が活発となり、胃内pHが低下します。1割程度に胸やけや胃酸弱流等の逆流性食道炎を認めると言われていますので食生活の改善もとても大切な課題と言えます。
ピロリ菌除菌後
胃癌最近は発生率は3%以下ですが、背景にピロリ菌感染を伴わないピロリ菌陰性胃癌や、ピロリ菌除菌を行ったにもかかわらず再度胃癌をは発症するピロリ菌除菌後胃癌も問題となっています。ピロリ菌の除菌は胃癌発生リスクの軽減に繋がりますが、除菌後の背景胃粘膜から100%胃癌が発症しないわけではありません。特に除菌後胃癌は典型的な肉眼所見ではないことが少なくないため、定期的に胃カメラ検査での精査が望ましいと言われています。胃粘膜の微細な変化で診断に至る早期胃癌の発見により早期治療へと結びつけることができます。定期的に胃カメラ検査を受けることが早期発見に直結します。