S状結腸管状腺腫(2年連続で便潜血陽性、検査への不安) 2026夏の1枚260811②
便潜血陽性を放置せずに大腸内視鏡検査を受ける重要性
大腸がん検診の便潜血検査で陽性判定が出たものの、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)への不安から、受診をためらってしまう方は少なくありません。しかし、便潜血陽性は腸内からの出血を示唆する重要なサインであり、早期発見・早期治療のためには精密検査が不可欠です。
症例の概要:50代女性 S状結腸管状腺腫
今回の症例は、健診の便潜血検査で陽性を指摘され、当院を紹介受診された50代の女性です。
| 年齢・性別 | 50歳代・女性 |
|---|---|
| 主訴 | 便潜血陽性 |
| 診断名 | S状結腸管状腺腫(3病変) |
患者様は昨年も便潜血検査で陽性判定を受けていましたが、検査への不安が強く、精査を見送られていました。今年も再び陽性となったため、かかりつけ医の先生と相談のうえ、当院にて大腸内視鏡検査を施行することとなりました。
内視鏡による診断と低侵襲な治療の経過
内視鏡検査の結果、S状結腸に約20mm大の隆起性病変(0-Isp型)を認めました。狭帯域光観察(NBI)による詳細な観察を行い、JNET分類Type 2Aと診断しました。病変の根元(基部)も境界が明瞭であったため、内視鏡による切除が可能と判断し、そのまま治療を行いました。
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内視鏡による精密診断
NBI拡大観察法用いて、病変の血管構造や表面模様を詳細に評価し、良性腺腫と判断しました。 -
内視鏡的ポリープ切除術
20mm大の病変を含め、合計3カ所の病変に対して内視鏡治療を完遂しました。 -
病理結果による確定診断
摘出した組織を顕微鏡診断した結果、事前の診断通り、良性腫瘍性病変であり治癒切除であることが確認されました。
内視鏡検査時の観察画像
検査および治療時の画像です。適切な診断と処置により、出血などのトラブルもなく安全に終了しました。
- 左上:通常光(WLI)による遠景観察
- 右上:NBI弱拡大観察による質的診断
- 左下:切除後の粘膜面の観察
- 右下:クリップによる縫縮処置後
早期の検査が健康を守る鍵となります
今回の症例のように、便潜血陽性の結果が出た際に速やかに検査を受けることは、がんの予防や早期発見において非常に重要です。たとえ一度は不安で検査を見送ってしまったとしても、勇気を出して受診することが大切であることを、この教訓的な症例は示しています。
