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消化器内視鏡検査は非常に奥が深いです

[2019.06.12]

院長の松岡です。

先日大腸カメラ検査を行った中で非常に勉強になった腸に出会いました。

以前の大腸カメラ検査時に挿入困難例と言われ、とても痛い思いをし且つ時間もかかったとのことで当院に紹介になった方です。

その方の体つきや事前問診から大方その方の腸の走行想定できますので、その腸に適すると判断したファイバースコープで検査を開始しましたが、検査全体の工程の1/3ほど挿入した時点でそれ以上の挿入は難しいと判断できました。

数年前までは(もちろん安全が担保された状況で)辛い検査となっても盲腸までしっかり検査を行う事を優先し出来るだけ時間をかけて検査を行うよう心掛けていました。しかしここ数年はこれまでの経験をもとに挿入法・ファイバーの選択を行うことで、検査の読みが大きく外れることははあまりありません。すなわち無理することなく盲腸まで正確に検査を行う事が出来るということです(多少辛いこともありますが)。

今回は検査開始数分で右手の手ごたえが無く、それ以上の検査続行は危険と判断し(代替検査も考慮し)検査終了が頭をよぎりました。

しかしながら、特色の異なるファイバースコープを用い大腸検査re-tryすると、何事もなかったかの如く終末回腸まで挿入することができ、前がん病変も3病変処置することが出来ました。

 

昔から「患者さんから学ぶことが多い」と色々な先輩医師が言っておられるように、今回の経験はまさに私にとって大きな財産になると思います。

今回のファイバースコープの変更はこれまでの私のデータベースの想定外であり、まさに目から鱗でした。

データの蓄積による検査の型(パターン認識)はもちろん重要ですが、柔軟な対応を織り込むことでより深みのある診療・内視鏡検査が出来ることを体験しました。

 

日々勉強であり、日常の実臨床を丁寧に行う事こそ、内視鏡技術の向上の糧となり、そして何よりも医療の還元に直結します。

 今後も安全を最優先に疼痛の少ない・正確な内視鏡検査を手軽に受けて頂けるよう、研鑽を積んでまいります。よろしくお願い致します。

 

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