痔と思っていたのに..
院長の松岡です。
お盆ですね。帰省されている方も多いと思います。熱中症、食中毒等体調不良にはくれぐれもご注意下さい。
実は痔は大腸カメラでよく見つかります。
先日便潜血陽性にて大腸カメラを行い、大きな病気が見つかった方が検査後に「痔と思っていたのに..」と話されていました。
毎日大腸カメラ検査を行っていますとよく痔に遭遇します。そして、痔が原因で便潜血陽性となる方が多いのもまた真なりです。
しかし、一番怖いピットホールは「痔もありその奥に進行した大腸癌もある」ことです。
進行大腸がんがあっても、採血で貧血も認めず、腫瘍マーカーも上昇せず、もちろん腹痛や目に見える下血もないことが良くあります。
即ち、便潜血陽性が指摘された際は内視鏡検査で直腸~結腸を丁寧に観察することが大切という事です。
また、大腸検査を希望される方に「以前から痔があるので今回そのためで便潜血検査にひっかかった。」と申される方もおられます。痔と腫瘍性病変の発生には因果関係がなく無関係であり、また進行した病変でなければ出血を伴う事も少なく、必ずしも便潜血陽性となるわけではないことを理解しておくことは大切です。
「痔と思っていたのに..大腸がんであった」と ならないためには、①(進行大腸がんになる前に)内視鏡検査で治療できるがん化しやすいポリープもしくは早期がんの状態で病気を発見すること、②それらを徹底的に内視鏡治療することが必要になります。便潜血陽性の方は大腸内視鏡検査を受ける理由をしっかり理解することからはじめてもよいと思います。そのうえで大腸内視鏡検査をしっかり受けましょう。