慢性便秘と内視鏡について学びました②
院長の松岡です。
昨日、慢性便秘症診療と大腸内視鏡検査と題する講演会をオンラインで勉強させていただきました。
便秘と言っても様々。統計立ったフレームからもれが無いように紐解いていかなければなりません。
便通異常のタイプ、病態生理、症状を学べました(機能性便秘症:大腸通過正常型、大腸通過遅延型、便排出障害型)。腸管拡張を伴うことで注意を要する巨大結腸症や慢性偽性腸閉塞症もふれてあり大変参考になりました。続発性便秘症は薬剤性や基礎疾患(神経疾患、脊髄損傷、甲状腺機能低下症、糖尿病)の対応がやはり大切であり、その中でも器質性便秘症の除外をする必要性も再確認できました。
また「直腸付近まで便が来ているがなかなか出ない」「いきむがすっきりでない」「排便後も肛門閉塞感がある」等の便排出障害の病態生理からみた考え方、対応方法も勉強できました。いきみと骨盤底筋群の弛緩という強調運動を有効に行えないことが原因となっていることが多くバイオフィードバック療法など排便習慣の改善の普及も大切です。
慢性便秘症における大腸内視鏡検査の適応については米国消化器内視鏡学会ASGEガイドラインの紹介もあり①直腸出血 ②便潜血陽性 ③鉄欠乏性貧血 ④体重減少 ⑤腸閉塞症候等を認める場合は大腸内視鏡検査の適応であり、今後も当院は積極的に対応していかなければなりません。警告症状、危険因子についても具体的に再確認出来、大腸がんを減らすため大腸カメラ検査の必要性を皆さんに啓蒙する必要性を痛感しました。
後半は慢性便秘症と各疾患についての各論でした。大腸黒皮症、大腸憩室症、孤立性直腸潰瘍症候群solitary rectal ulcer syndrome:SRUS、直腸粘膜脱症候群mucosal prolapse syndrome:MPS、宿便性潰瘍、巨大結腸症megacolon、慢性偽性腸閉塞症chronic intestinal pseudo-obstruction:CIPOなど..。
器質性狭窄が誘因となる便秘を来す疾患群(びまん浸潤型大腸がん、腸管子宮内膜症、虚血性腸炎、大腸憩室症)についても確認でき明日からの消化器内視鏡診療に役立てて参りたいと考えます。
今週で7月が終わります。夏は胃腸の負担が増え、トラブルが多い季節です。胃腸疾患・消化器疾患ですぐれない方はお気軽にご相談下さい。8月も7月同様、スタッフ一同消化器内視鏡検査・治療に全力をあげて参ります。