便潜血陽性について
[2017.11.06]
院長の松岡です。
便潜血陽性とは、採取した便に僅かに血液が混じっていることです。
よって、腹痛・目に見える血便・便が細くなった等の自覚症状を認めることはほとんどありません(そもそも、検診で便潜血検査を行いますので自覚症状を認めることが無い方がほとんどのはずです)。
先週の大腸内視鏡検査を受けた方の中に、「痔があるので便潜血陽性になったと思います」と自己申告された方がおられました。確かに内痔核を認めますが、大腸の一番奥に僅かな病変を認めました。すぐに拡大観察(100倍ほどにズームアップ)を行い精査を加えると腫瘍性病変であり一部早期の悪性病変と判断できました。そのまま内視鏡的手術・止血治療を行い検査を終了致しました。
便潜血陽性を指摘された方の中で3%ほどに病変を認めると言われております。早期の病変であれば内視鏡的治療が可能です。切除した病変はほぼ全例に対して病理検査(顕微鏡検査)を行い、癌/非癌、術前の内視鏡診断と病理診断が一致していたか等確認を行います。
便潜血陽性を認めた方は、自身の大腸に異常がないことを確認するために大腸カメラ検査を受けることが大切です。