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大腸カメラ検査の前処置の重要性

[2018.12.17]

院長の松岡です。

当院では鎮静剤無しに大腸カメラをすることが多いので、検査中リアルタイムにご自身の腸を見て頂きながら私が実況中継することがほとんどです。

よく検査中に「大腸検査は難しいのですか?」と質問されます。

 

医師によって難しさの質は異なると思います。また、胃カメラ検査と大腸カメラ検査を比較しての難しさの質も違いますが誤解を恐れずに言うと、

胃カメラ検査はすっと入ることが多いのですが、がんかどうかの診断・がんの範囲や深さの診断が難しいと言われています。胃カメラでは胃がんのみでは無く、頭頚部(下咽頭がん・食道がん等)も注意深く観察することが大切です。また、大腸がんに比べて胃がんは単一の組織系ではないことが少なくないことも一因と言われていますので胃内を丁寧に洗い・通常光のみではなく特殊光や色素散布を行い、見逃しが無いようしっかり観察するよう心掛けています。

大腸カメラ検査はがんの診断はもちろん難しいですが、その前に肛門から盲腸までカメラを入れることが出来ないと病気があるかどうかも分かりません。大腸という臓器は非常に長い上、自由に動く腸管(前者)と後腹膜や靭帯等に固定された腸管(後者)からできており、前者が長い腸は大腸カメラが難しいと言われており、後者の固定が緩いとさらに難しいと思います。

 

大腸内視鏡検査に精通した医師は大腸の特徴を理解し・疼痛を起こさない技術を持っているのでスムースに検査を行う事が出来るのです。

ただ、便秘で悩まれている方は後者の腸管が長いことが多いため、さらに工夫をしないとすぐに痛みが出てしまいます。

 

また、検査前の診察で下剤を処方・検査食をお渡しすることも、非常に大切な検査に向けた準備となります。

①大腸検査時に腸内に残便を残さないようにして微小病変も見逃さず正確な検査を行うため

②残便・残液は重いのでそれを起点として腸のねじれが増えてしまうことを予め防ぐため

を狙っていますのでなぜ検査前に下剤や検査食を口にしないといけないのかを十分理解することが大切です。

 

消化器の検査に限ったことではありませんが、我々医療者と皆様が共通の理解を持つことで安全な正確な検査を行う事が出来ると思いますのでご理解いただけましたら幸いです。

 

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