オルメサルタン関連腸炎 Olmesartan Associated Enteropathy:OAE
[2020.02.02]
院長の松岡です。
先日の研究会で(頻度はかなり稀ではありますが)高血圧に用いるある種の薬剤が慢性下痢症の原因となる疾患を学びました。
ある降圧薬を4週間以上内服して慢性下痢を認めた場合、セリアック病Celiac sprueに類似した腸炎を来すことが報告されています(本疾患はセリアック病と異なりグルテン除去に無反応)。
内視鏡的には白色絨毛や発赤が特徴的であり、生検にてcollagenous bandを認めることがあり、治療は原因薬剤の中止で下痢症状の改善を認めるとのことでした。
日常的に用いる薬剤であり、内服して頂いている患者様に下痢症状が出現した際に本疾患を疑う必要があります。
昨年学んだ家族性地中海熱Familial Mediterranean Fever:FMFもそうですが、頭に入れていないと診断に導けない疾患が沢山あります。