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「消化器内視鏡検査に対する日本消化器内視鏡学会の提言(改訂第二版)」について

[2020.04.08]

院長の松岡です。

新学期に入ったものの富山市小中学校は来週から再度休校の予定となり、予断の許さない状況が続いています。

※COVID-19感染症の影響のため、しばらくインフルエンザ検査、呼吸機能検査、禁煙外来(新規患者様)の対応は差し控えさせていただきます。
※当院は消化器内視鏡検査を主体とした診療を行っているため、状況によって一般外来の対応を致しかねる場合がございます。ご不便をおかけいたしますがご理解のほどよろしくお願い致します。

日本消化器内視鏡学会からのコメント「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への消化器内視鏡診療についての提言(改訂第二版)」が4月6日に出ましたので原文の抜粋を情報共有させて頂きます。

継続して厚生労働省・日本医師会の政策に従って、そして日本消化器内視鏡学会の提言に則り、当院は内視鏡診療を行います。今後も刻々と我々を取り巻く環境が変わっていくと思います。適切な対応をとりながら「やれること(消化器内科・胃腸科診療)」を淡々と行います。定期的なHPの確認をよろしくお願い致します。

大腸内視鏡検査の前処置(大腸検査前の当日の下剤内服)を当院で無く、自宅でも飲むことができますのでご希望の方はスタッフまでお気軽にご相談下さい。

こんな国難であっても消化器疾患は待ってくれません。消化器疾患でお困りの方はご相談下さい。

 

先日、大腸カメラ挿入困難であった方の大腸検査をさせて頂き、上行結腸に進行がんが見つかりました。しっかり診断することで適切な治療に結び付きました。

また、以前ピロリ菌除菌成功した方が胃痛のため胃カメラ検査を行ったところ除菌後の胃がんを認めました。最近ではピロリ菌除菌にてがんの発症率は1/3程度に下がると報告されます。ゼロではないため、ピロリ菌の治療歴のある方は放置することは好ましくないと言われています。

 


「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への消化器内視鏡診療についての提言(改訂第二版)」の原文の抜粋
 本提言の内容は日本消化器内視鏡学会が示したひとつの目安であり、それぞれの施設の対応を制限するものではありません。この提言を参考にして頂き、地域・施設の状況に応じて、各施設の関連部門等と協議し具体的な方針を決定して頂くことが重要です。なお、今回記しました内容については、情勢や政府からの情報更新等に伴い改訂される可能性がありますのでご承知おきください。
はじめに
 今般の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に関して、消化器内視鏡診療の実施については、国・厚労省の方針や各施設の状況等を考慮した対応が求められています。日本消化器内視鏡学会としては、現在のCOVID-19の状況に鑑みた内視鏡診療について以下の様に提言いたします。


1.COVID-19の感染経路と消化器内視鏡診療について
 コロナウイルスの感染経路は飛沫感染、接触感染が基本であり、2019新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)も主な感染経路は同様であるとされています[1]、[2]。消化器内視鏡診療にあたっては、特に経口・経鼻での施行では患者の咳嗽を誘発する場合もあり、エアロゾルによる医療従事者への感染も危惧されます[3]。内視鏡検査室など密閉された空間で、高濃度の汚染されたエアロゾルに一定程度の時間曝露した場合には、エアロゾルによるウィルスの伝播が高頻度で起こりうると考えられます。また、糞便からのウイルス排出の可能性も指摘されており[4]、[5]、下部消化管内視鏡検査における潜在的な感染リスクもあるとされております。
2.消化器内視鏡診療の施行について
 国のCOVID19対策本部より、対策の基本方針が発表され日々アップデートされています(https://www.cas.go.jp/jp/influenza/novel_coronavirus.html)。最近の感染拡大の状況に鑑みて、SARS-CoV-2のPCR検査陽性の方・以下の条件のいずれかに該当する方(COVID-19が確定した症例・臨床的にCOVID-19を疑う症例:ハイリスク患者)[4]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9]、[10] に対しては、緊急性のある場合においてのみ消化器内視鏡診療の施行を推奨します。さらには条件に該当しない方(臨床的にCOVID-19を疑わない症例:ローリスク患者)からのウィルス感染の報告も相次いでいるため、このような方に対しては、適応を慎重に勘案した上で緊急性がなければ延期も含めてご検討ください。なお、ハイリスク患者に対して緊急の消化器内視鏡診療が必要な場合は、各施設基準に則り施行してください。


〇 感冒症状や 37.5℃以上の発熱。
〇 2週間以内の新型コロナウイルスの患者やその疑いがある患者との濃厚接触歴。
〇 2週間以内の感染多発地域への渡航歴(感染地域は日々拡大していますので、アップデートされた情報に基づいて各施設で対処してください)。
〇 強い倦怠感や息苦しさ。
〇 明らかな誘因のない味覚・嗅覚異常。
〇 明らかな誘因なく4−5日続く下痢等の消化器症状。

3.消化器内視鏡診療における防護策について
最近は無症状のウィルス感染例の報告も相次いでいます。この観点からも、消化器内視鏡施行の際には、スタンダードプリコーションを徹底してください。その上で、飛沫予防策と接触予防策をスタンダードプリコーションに追加して行うことを推奨します。フェースシールド付きマスク(またはゴーグル+マスク)・手袋・キャップ・ガウン(長袖)の着用、そして各種防護具は患者毎に取り換え、検査・治療終了後には手指から肘までのしっかりとした洗浄を行ってください。各施設の個人防護具等医療資源の状況に応じた実施可能な最大限の感染防御を実践してください。また、対面式のジャクソンスプレーなどを用いた咽頭局所麻酔の際にも咳嗽を誘発しエアロゾルを発生させる可能性はありますので、可及的にエアロゾルを発生させない配慮が必要となります。その上で、前処置施行に際しても上記の防護策をご考慮ください。また、消化器内視鏡診療終了後の内視鏡運搬や洗浄に際しては、十分な防護策の下で本学会の「消化器内視鏡の洗浄・消毒標準化にむけたガイドライン」[11]に則り対処してください。
なお、COVID-19が確定されている患者に対して内視鏡検査・治療を行わなくてはならない場合、または内視鏡施行後に感染が判明した場合は、事前事後の対応策(内視鏡室の消毒、閉鎖の是非、閉鎖期間、再開の判断等々)については各施設で検討していただき、十分な対応をとってください[12]。また、COVID-19確定の方に対して使用した防護具は速やかに廃棄してください。
日本環境感染学会から感染対策に関する詳細なガイドが出ております。こちらのリンクからご確認ください。http://www.kankyokansen.org/modules/news/index.php?content_id=328


4.消化器内視鏡診療に携わる医療従事者について
 各施設で、COVID-19に関する医療従事者側の就業基準が設けられていると思いますが、消化器内視鏡担当医もしくは内視鏡診療に携わるメディカルスタッフが上記1)-6)に該当する際には、感染防止の観点から極力検査治療には携わらないこともご考慮ください。


5.消化器内視鏡室における対応と環境について
 内視鏡施行当日、内視鏡室入室前には確実な問診、そして体温測定を行うことを推奨します。体温および当日の身体症状の確認により、内視鏡施行の可否について慎重に判断してください。消化器内視鏡を予定する患者さんに対して、あらかじめ検温表を配り検査当日までの体温や異状等を記載して頂くことも、感染予防としては重要な対策です。また、内視鏡室において飛沫感染や接触感染を予防するために、すべての患者(付添い者等も含む)において安全な距離を保てる環境を整備することもご考慮ください[13]。

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