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大腸内視鏡技術は実に奥が深いです。

[2020.01.10]

院長の松岡です。

先日お世話になっている総合病院様で考えさせられる大腸内視鏡検査を経験することができました。

 

盲腸まで内視鏡を挿入するのに非常に難渋する症例であることが分かっていました。まずは「一般的な太さよりやや細めのカメラ」で検査を開始しました。全行程の3/4までは挿入できますが、それ以上の挿入は持っている技術を全て出し尽くしても挿入困難でした。

すかさず(これまでの経験からこれなら入るであろうと考える)「細くて長いカメラ」に切り替えて挿入しました。しかしながら、結果は上記と同じであり、腸のたわみを解除することが極めて困難な状態に陥りました。

そこで発想の転換。「一番太いカメラ」に再度切り替えで再々挿入を行いました。結果として、太いカメラを用いることで腸管の個性的なたわみをしっかりいなすことが(腸管自由端の制限をしっかりかけることで)正解でした。終始安定したトルクをかけ続けることが可能となり盲腸まで挿入する事が出来ました。

ピーター・ドラッカーも言っているように「違う結果を求めるので有れば、方法を変えなければならない」という事です。言うは易しではありますが実際は試行錯誤の繰り返しであり経験の蓄積でようやく理解できることのように思えます。

この方は盲腸に10mmほどの腫瘍があり、しっかり内視鏡治療できました。やはりしっかり内視鏡検査を完遂することが大事だと思わされる1症例でした。

 

豊富な経験を持った内視鏡スペシャリストが多数在籍する内視鏡センターで勉強させていただいている事に改めて感謝の言葉しかありません。内視鏡技術の基本・消化器疾患のトレンドなど先生方のふとした一言から氷解することが本当に多く、それらが私の財産となっているのは間違いありません。

まだまだ内視鏡技術を高めていかなければならないと考えさせられるエピソードでした。

 

一般に内視鏡検査は細いカメラの方が楽だと思われがちです。その答えは半分は正しく、半分は誤りと考えます。その方に最適の大腸カメラを選択し、腸に適した挿入技術で挿入することで解剖学的に無理のない挿入が可能となります。その結果、苦痛が最小限となります。

今後も、可能な限り疼痛が少ない内視鏡検査を提供できるよう努力して参ります。

 

 

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