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進行食道癌(3か月前からの飲み込みにくさ) 今週の1枚240904

[2024.09.04]

半年前から自覚する食道つかえ感で受診された方です。喫煙なし、ノンフラッシャー(フラッシャー:少量飲酒ですぐ赤ら顔になる体質)、習慣性飲酒なし。人生はじめての胃カメラ検査となりました。①上部食道に粘膜下腫瘍様隆起の頂部に不整な腫瘍露出を認め、②中部食道には1/2周性の2型腫瘍性病変を認めました。①と②の間の食道粘膜は粘膜下腫瘍性のなだらかな隆起性病病変は認めるものの、(現時点で)腫瘍細胞の食道管腔への露出は認めませんでした。速やかにいつもお世話になっている総合病院様へコンサルトし、全身精査~治療方針決定の方向となりました。

この段階でも貧血なし、腫瘍マーカー上昇は認めません。GIF1200N(オリンパス社の細径内視鏡)が容易に通過できることを考えると、水分や小さな固形物の通貨障害は認めなかったのだと思います。つまり「いつもと違うと思ったタイミング」で胃カメラ検査を行わないと、診断に至ることすらできないということです。

これまで胃カメラ・大腸カメラを受けていない方こそ、適切な内視鏡検査を受けることが大切です。「2次予防の必要性」を当院は皆様へ訴えかけてまいります。

※2次予防:早期に病変を発見することで、早い段階で治療介入すること

 

70歳代 男性 慢性飲み込みにくさ、嘔気、嘔吐

#1.進行食道癌(squamous cell carcinoma)

左上、右上:①上部食道病変、 左下、右下:②中部食道病変

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