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胸焼け

胸焼けとは

主として胃酸を含んだ胃液が胃から食道へ逆流することで食道粘膜が障害されヒリヒリとした食道の違和感~じりじりと焼けるような胸の締め付けられるような痛みを生じます。

慢性化することで喉の違和感や持続する咳や、ま不眠の原因や食欲低下など生活の質の低下に直結することもあります。そして胸焼け症状の原因として多い逆流性食道炎は食道がんとの関連性も指摘されていますので症状が遷延化する場合はしっかり対応すべき症状の1つです。

胸焼けの原因

大半は胃から食道への胃酸逆流が原因となり食道粘膜が障害されることで生じますが、胃酸が食道から下咽頭までの逆流が持続することでゲップがでる呑酸、胃酸逆流の日常化により咽頭や口腔内への慢性炎症が惹起され、声がれ口内炎を生じることもあります。その他、食道への胃酸逆流で気管支が刺激されたり、間接的に刺激が気管に伝わることで咳嗽の原因となることも少なくありません。その他、加齢による食道裂孔ヘルニアに伴う胃酸逆流や肥満による横隔膜の食道裂孔からの食道への突き上げに起因することも考えられます。

昨今、ピロリ菌感染性慢性胃炎に対して除菌治療を行う事が胃癌予防に繫がるため標準治療とされています。ピロリ菌除菌を行うことで除菌以前と比して胃内pH亢進され胸焼け症状を来すこともあります。

また、忘れてならない原因として過度なストレス、食道アカラシア、機能性ディスペプシア(FD)などの機能性疾患や、急性冠動脈疾患などの極めて緊急性が高い循環器内科的疾患も原因となり得るため適切な対応が求められます。

一口に胸焼けと言っても

・胸の焼ける感じ
・喉のつかえ感
・頻回のげっぷ
・酸っぱい胃液逆流
・食事した際の喉の引っかかり感
・空腹時の胸痛~胃痛
・就寝時の胃痛
・食後の胃痛・腹満感

など周辺症状は多岐に渡るため「皆さんの症状がどうして生じているのかを突き止めていく事で問題解決へ」と繋がります。胃カメラ検査を行う事で原因究明・早期治療に繋げていくことが必要と考えます。

胸焼けの治療

上記の如く胸焼けの原因として大半は胃から食道への胃酸逆流によるため治療として生活/食事指導、内科治療(内服)、外科治療があります。

①生活/食事指導(生活習慣の改善)

まずは基本である食べ過ぎや飲みすぎに注意することが大切です。アルコールや香辛料などの刺激物摂取や肉類やあげものなどの脂質類の摂取過多も原因となります。喫煙は血流低下を引き起こし胃蠕動の低下、ないしは喫煙自体が食道扁平上皮癌のリスクとなります。ストレスが胃腸に過度に加わることで自律神経は交感神経優位となり緊張が全面に出てしまい消化管蠕動運動の低下や胃粘液分泌の低下を引き起こし胃腸障害の原因となることも指摘されています。

②内科治療 胃酸分泌を抑えることで食道/胃粘膜障害を防いだり、消化管蠕動運動を改善することで正常な消化管運動の動きの改善を狙います。

③外科治療

胃酸逆流と食道がんの関連性

では「なぜ治療を行う前に正確な診断を行う事が必要なのでしょうか?」

それは胃カメラ検査にて肉眼的に逆流性食道炎などの食道粘膜障害の確認を行う事が重要と考えられているからです。内視鏡検査で下咽頭~食道~胃を観察すること、次に食道と胃のつなぎ目にびらんや潰瘍やバレット食道(SSBE/LSBE)の有無の確認などを行います。OLYMPUS社製の最上位機種EVIS X1 CV1500と最新内視鏡を用い、WLI・IEEを的確に組み合わる事で辛くない安全な正確な内視鏡検査が実現できます。

そして内視鏡検査をする意義の中でも大切なことは喉のつかえ感、咽頭違和感などの原因として食道がんや頭頸部がんを否定することです。食道がんには喫煙や飲酒がリスク因子となる古典的な食道扁平上皮がんの他、逆流性食道炎やそれに伴うバレット食道などが原因となる食道腺がんがあります。良性疾患では肉眼的にびらんを伴う・食道炎や内視鏡では異常は認めませんが胸焼けなどの自覚症状のみを認める非びらん性胃食道逆流症があります。凹凸が無く平坦な病変は「形より色味で判断した方がよい」ことも多いため、これまで以上に「内視鏡検査における精密検査→より早いので段階での病変拾い上げ→そして早期治療」を最短で行う事が求められています。気になる方はお気軽にご相談下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

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