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大腸憩室症 Diverticulos

症状:下痢/便秘/腹部膨満感/腹痛

大腸腸管壁の一部が腸管内圧の上昇などによりクレーター様に腸壁外に凸状に突出した状態のことを指します。大腸内視鏡検査や腹部CT検査で偶然遭遇することが多い疾患であり、ただ憩室があるだけでは無症状でありもちろん治療の必要はありません。

憩室症は2種類あります。憩室壁の全層全てが凸に飛び出した真性憩室と、固有筋層を欠き腸壁の筋層の隙間から腸粘膜のみが凸状に飛び出した仮性憩室があります。大腸憩室の大半は仮性憩室であり、以前は70~80歳の高齢者に多い病気であると言われていました。しかしながら最近では便秘症・過敏性腸症候群などの影響か便通異常に伴い30~40歳代の若年者でも憩室を認めることが少なくありません。


原因
食生活の欧米化(肉食増加、食物繊維摂取が減少)・加齢に伴う腸管壁の脆弱化によって大腸内腔圧上昇が起こり、大腸壁の筋肉層の脆弱な部分から粘膜が漿膜側へクレーター様に突出することで憩室が発生すると考えられています。
また医学の進歩・高齢化に伴い、脳神経・循環器疾患分野で出血しやすい薬剤(抗血小板薬・抗凝固薬)の使用量が増え、高齢者の大腸憩室出血リスクが高まっているという報告もあります。


発症部位
これまで日本人は右側結腸に多いと言われていましたが、欧米型の食生活習慣の影響により左側結腸の憩室が増加していると言われています。


合併症
大腸憩室が存在するだけでは無症状(70%ほど)ですので治療の必要性はありませんが、20~30%に下痢/便秘/腹部膨満感/腹痛などの症状を認めます。また、10~15%程度に2大合併症(憩室炎・憩室出血)に進展すると報告されており、注意が必要です。憩室が細菌感染を起こし、頻回に憩室炎を繰り返すことで大腸狭窄/癒着/穿孔を発症したり、最終的に通過障害を来すと外科治療の適応となる場合もあります。

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