クローン病に伴う肛門病変・クローン病関連がん
症状:肛門痛/血便/下血/体重減少/微熱
クローン病の合併症として肛門病変はとても有名であり30%の患者に認めます。肛門症状が消化器症状を先行してクローン病の診断がつくことも珍しくありません。痔瘻・肛門周囲膿瘍・裂肛・皮垂などがあり、増悪すると瘻孔・腸管狭窄・腹腔内膿瘍といった合併症に進展し外科的治療を要します。
またある解析によるとクローン病に合併する消化器がんは左側結腸が75%、直腸・肛門管が55%を占めており、クローン病合併瘻孔がんの75%は肛門~肛門近傍に発生すると報告されています。よって、「クローン病に合併する直腸肛門管癌(痔瘻癌を含む)の診断基準と癌サーベイランスプログラム」に準じたサーベイランスが必要です。
クローン病関連がん
クローン病に合併する消化器がんは大腸がん以外に小腸がんや肛門管がんがあります。潰瘍性大腸炎と同様に長期経過例は発がんリスクが高まることが知られています。その他、クローン病では小腸がんや直腸がん・肛門管がんの他、腸管狭窄部のがんや瘻孔部のがんなどの合併も認めます。内視鏡で早期発見することが容易ではない場合が多いからこそ、サーベイランス内視鏡により定期的な検査が必要な訳です。