クローン病 Crohn’s Disease:CD
症状:下血/血便/腹痛/微熱/体重減少/貧血/便潜血陽性/痔核/痔瘻/肛門周囲膿瘍
クローン病は全消化管(口腔~咽頭~食道~胃~十二指腸~小腸~大腸~肛門)に炎症をきたす疾患です。炎症は粘膜のみではなく全層に渡るため合併症は腸管狭窄(腸管内腔が狭くなり食物が通過できなくなる)や穿孔・瘻孔(炎症が全層に渡り腸管に穴があき、腸管内外が交通したり、腸管同士が短絡した交通をきたす)や膿瘍の形成があり、内視鏡治療や外科治療を要することもあります。
また、肛門病変(痔瘻/潰瘍/肛門周囲膿瘍/裂孔/皮垂)の合併を認めることも少なくありません。クローン病関連がんについては大腸がんだけではなく、小腸がんや直腸肛門管がんも認めることがあり注意が必要です。
クローン病の鑑別疾患 | |
大腸の縦走潰瘍 |
潰瘍性大腸炎 虚血性腸炎 Collagenous colitis |
回盲部に限局する慢性炎症 |
腸結核 腸管ベーチェット病 NSAIDs潰瘍 |
クローン病関連がん
クローン病に合併する消化器がんは大腸がん以外に小腸がんや肛門管がんがあります。潰瘍性大腸炎と同様に長期経過例は発がんリスクが高まることが知られています。その他、クローン病では小腸がんや直腸がん・肛門管がんの他、腸管狭窄部のがんや瘻孔部のがんなどの合併も認めます。内視鏡で早期発見することが容易ではない場合が多いからこそ、サーベイランス内視鏡により定期的な検査が必要です。