潰瘍性性大腸炎 Ulcerative Colitis:UC
症状:下血/血便/腹痛/微熱/体重減少/貧血/便潜血陽性
潰瘍性大腸炎は組織学的に粘膜下層までの浅い炎症が、直腸から連続して大腸(直腸と結腸)に限局する炎症を起こす疾患です。
UCの長期罹患期間症例は大腸がんを発症するリスクが高くなるため内視鏡的サーベイランスsurveillanceを行う事が大切です。また潰瘍性大腸炎関連がんは慢性炎症粘膜を母体とした粘膜から発症するため、一般的大腸がんと比較して周囲粘膜との境界が不明瞭で平坦な(分かりにくい)病変やdysplasiaを認めることが少なくないと言われます。
多くは外来通院治療可能ですが、貧血が重篤な場合は輸血治療や、全結腸炎型で発がんリスクのある例では外科治療を要することもあります。
潰瘍性大腸炎の鑑別疾患 | |
大腸びまん性の炎症 |
カンピロバクタ―腸炎 サルモネラ腸炎 |
直腸限局性の慢性炎症 |
アメーバ性大腸炎 |
潰瘍性大腸炎関連がん UC-associated colorectal cancer:UCAC
慢性炎症を発生母体としたUCの長期経過例ではUCACの発生を認めることが少なくなく、内視鏡的サーベイランスがとても重要です。
<潰瘍性大腸炎関連がんのリスク因子>
〇罹患期間 若年発症(40~50歳)
〇散発性発癌 多発病変(同時性・異時性)
〇罹患腸管範囲 左側大腸(直腸:約50%、S状結腸:約20%)
〇持続する慢性炎症 前がん病変(dysplasia)の存在(慢性炎症が契機となる発癌)
〇原発性硬化性胆管炎の併発