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色素内視鏡について

[2019.08.14]

院長の松岡です。

当院の内視鏡検査では、微小病変の発見もしっかり行うため、拡大内視鏡観察、NBI(狭帯域光)観察と同時に色素内視鏡を適宜組み合わせることで質の高い内視鏡検査を心がけています。

これからも、早期がんの発見率を高めるために先人たちが開発した色素内視鏡を適宜用いることで当院は皆様の消化器内視鏡検査を行って参ります。

内視鏡検査を受けたことがある方であれば経験されている方もいるのではないかと思いますが、検査中モニターの色調が突然変わることがあります。どうしてとよく皆様から質問を受けますので一度整理したいと思います。

①色素散布コントラスト法(インジゴカルミン)

色素散布法とはインジゴカルミンという青い液体を粘膜に散布する、かなり昔から用いられている方法です。インジゴカルミンを散布することでコントラストを強調し胃粘膜の凹凸をより明瞭化させます。僅かな凹凸しかない微小病変の発見(存在診断)や白色光観察では病変の範囲が不明瞭な際の診断(範囲診断)に力を発揮します。

②酢酸散布法

酢酸散布法とは希釈した酢を胃粘膜に散布し微小病変発見率を高める方法です。酢を散布することで非がん部は白く抜け、がん部は赤くなります。非がん部とがん部で異なる酸に対する胃粘膜の粘液分泌特性を利用した検査法です。

③酢酸インジゴカルミン混合液(acetic acid-indigo carmine mixture :AIM)散布法

従来のインジゴカルミン撒布によるコントラスト強調法①に、酢酸散布法②を追加することで色調変化の上乗せ効果を狙った、いわばハイブリット法です。

病変の境界部が明瞭に描出され、範囲診断に非常に有用であると言われています。

④ルゴール染色法

ルゴール(ヨード液)を散布することで頭頚部がんや食道がんの診断に力を発揮します。

正常食道粘膜はグリコーゲンと反応により褐色から黒褐色に変色し、がん部はヨウドグリコーゲン反応が起こらないため変色しません。これを利用した染色法です。

⑤クリスタルバイオレット(Crystal violet)染色法

特に大腸カメラ検査時に力を発揮する染色法。拡大内視鏡時に色素として用い、表面の微細構造、腺管開口部を観察することで、がんの存在診断、深達度診断に有用である。

 

 

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