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慢性便秘と内視鏡について学びました①

[2020.07.09]

院長の松岡です。

web講演会に参加させて頂きました。

慢性便秘に内視鏡検査がどのようにかかわることが出来るかについての内容の講演もあり、便秘治療における当院の診療の位置付けも確認でき非常に実りの多いものとなりました。

セクション1は国立がんセンター中央病院の先生の講演でAI内視鏡について興味深く拝聴できました。

大腸内視鏡検査後に発見される大腸がんは3~10%であり、見逃された病変は58%(特に右側結腸の小さい平坦病変)と提示されていました。また、AI内視鏡の開発は非常に進んでおり、deep learning(深層学習)、高性能なGPU、big dataにより 解析能力が高く、複数病変の検出に優れ(それでもって人と異なり疲れ知らず、メンタルの問題も皆無といった)良い事ずくめの様です。ただAIが学習する教材が非常に重要で多疾患をバランスよく学習しないと本来の力が発揮できないという開発秘話も聞くことができ非常に楽しく学べました。医師とAIが手を取り合う事でより良い内視鏡診療の提供ができる未来がもうすぐそばに来ている印象を受けました。

セクション2は便秘外来のスペシャリストの先生の講演でした。当院にもよく相談がある大腸挿入困難例についての大変貴重な講演でした。「大腸内視鏡検査挿入困難症例の理由となる腸管運動異常と形態異常の2方向からのアプローチ」が非常に印象的でした。これまで何となく漠然と分かっていたことが非常にすっきり理解でき機能性便秘症と便秘型過敏性腸症候群の概念の違いから実臨床での治療戦略まで具体的に学ぶことが出来ました。体質と生活習慣に深く踏み込むことでより治療アプローチに深みを増すことが出来ることも再確認できました。

セクション3は慢性便秘症に多面的な講義であり、便秘の増悪により精神的不安定が増したり、社会活動機能の低下を来す海外の報告も提示されました。動脈硬化と腸内細菌叢の関係性や、過敏性腸症候群は腸内細菌叢に変化が生じることで腸粘膜の透過性に異常を来し内臓知覚過敏を来すことが問題の本質であり、自閉症やパーキンソン病との関連性についても大変興味深い話を聞くことが出来ました。

 

歩みを止めず日々学ぶことで皆様に貢献できるよう前進して参ります。

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