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ピロリ菌② 検査・治療薬について

[2018.02.06]

院長の松岡です。

前回ピロリ菌について若干ご説明させていただきました。今回はピロリ菌の除菌後の効果判定、除菌薬、ピロリ菌検査についてご説明いたします。

ピロリ菌除菌後の治療効果判定

まず、ピロリ菌除菌成功により胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発リスク、胃がん発症のリスクを抑制することができると言われています。また若いうちに除菌するほど、上記のリスク抑制効果は高いと言われています。

 ピロリ菌の1次除菌後、しばらく時間を置き除菌後効果判定検査を行います。除菌成功・不成功を確実に評価することが大切です(条件を満たせば2次除菌まで保険適応で対応可能です)。

一旦除菌成功すると再発する確率は数%と低く、ピロリ菌感染を繰り返し調べる必要はありません。ただ、除菌後胃がんの報告もありますので、除菌後も定期的な内視鏡検査を受けることが大切です。

ピロリ菌除菌薬

 除菌薬は一般に、2種類の抗生物質と1種類の酸分泌抑制薬を朝夕2回1週間服用します。胃酸分泌をしっかり抑えることで抗生物質の力を最大限発揮させます。1次除菌で除菌不成功の場合は、薬剤を変更して2次除菌を行います。

以前と異なり、最近の除菌治療成功率は1次除菌、2次除菌ともに90%前後であり、2次除菌(保険適応範囲内)までで大半のピロリ菌除菌が可能となっています。

 2次除菌不成功の場合、3次除菌療法(保険適応外)になります。ご相談下さい。

 ※除菌薬内服で全例除菌成功とならないため、除菌後効果判定が非常に重要となります。

ピロリ菌の検査方法

ピロリ菌検査は胃カメラを行わない検査と胃カメラ検査を行う、下記7種類の検査方法があります。詳細は診療時にお尋ねください。

A.胃カメラを行わない検査

①尿素呼気試験 空腹時に薬剤服用前後の呼気を検査用の袋に吹き込み、採取した呼気を使って診断する検査
②血清ピロリ菌抗体検査 血中のピロリ菌の抗体を調べる検査
③尿中ピロリ菌抗体検査 尿中のピロリ菌の抗体を調べる検査
④便中ピロリ菌抗原検査 便中のピロリ菌の抗原を調べる検査

 B.胃カメラを行う検査

①迅速ウレアーゼ試験 胃カメラ生検で採取した胃粘膜を試薬につけ、ピロリ菌が持つ酵素(ウレアーゼ)活性を利用してピロリ菌を調べる検査
②鏡検法 生検で採取した胃粘膜に特殊染色(ギムザ染色)を行うことで直接顕微鏡をのぞいて菌を探す検査
③培養法 生検で採取した胃粘膜を用いてピロリ菌を培養する検査。培養するため時間を要する

 

 

 

 

 

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