直腸管状腺腫(便潜血陽性、人生初の検査) 今週の1枚260715
直腸における20mm大の亜有茎性病変に対する内視鏡治療
直腸Rs(上部直腸)において発見された比較的大きな病変に対し、適切な事前診断と治療計画に基づいた内視鏡的切除を実施した症例をご紹介します。
| 患者様情報 | 60歳代 男性 |
|---|---|
| 臨床診断 | 大腸腺腫(低異型度管状腺腫) |
病変の観察と診断のポイント
直腸Rsに20mm大の0-Isp病変を認めました。遠景観察において病変表面は発赤調を呈しており、基部は亜有茎性の形態であることが確認されました。
さらに、拡大NBI観察(狭帯域光強調映像)を行うことで、病変の血管・表面構造から概ねJNET2Aと診断しました。これにより、良性の腺腫病変または粘膜内癌である可能性が高いと判断し、内視鏡的切除の適応としました。
※左・中央:WLI(通常光)観察時の画像
内視鏡的一括切除と治療経過
切除に際しては、病理評価を正確に行うための切除断端陰性の確保と、術中・術後の出血対応を第一に考え、内視鏡的一括切除を施行しました。
切除後は、再出血や穿孔のリスクを低減させるためにクリッピングによる縫縮を行い、処置を安全に終了しました。最終的な病理結果においても治癒切除であることが確認されています。
※右:切除部をクリップで縫縮した後の状態
トラブルを未然に防ぐ治療計画の重要性
内視鏡検査におけるトラブルを最小限に抑えるためには、病変観察の段階から具体的な治療計画を意識することが極めて重要です。
病変の正確な位置把握はもちろん、使用する処置具の操作性を事前に入念にイメージすることで、より安全かつスムーズな検査・治療の提供が可能になると考えます。
