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S状結腸癌(便潜血陽性、病理診断と外科連携) 今週の1枚260826

[2026.08.26]

早期直腸がんの診断と内視鏡治療の症例

便潜血検査で陽性反応が出たことをきっかけに受診された、50歳代男性の症例です。精密検査として大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)を実施したところ、直腸に早期がんを認めました。本症例では、拡大内視鏡を用いた詳細な観察に基づき内視鏡治療を行い、その後の病理診断結果から外科的追加治療に至った治療経過をご説明します。連携先の消化器外科様よりいただいた報告では、病理結果はScar, residual carcinoma pN0P0H0PUL0M0; R0 CurAであり、治癒切除が確認されました。

症例の基本情報

年齢・性別 50歳代 男性
主訴 便潜血陽性
診断名 直腸癌(pT1b)

大腸内視鏡検査による病変の観察

下部消化管内視鏡検査の遠景観察において、直腸Rs部に周囲の白斑サインを伴う発赤調の病変を認めました。病変には緊満感があり、表面には凹凸不整が確認されました。

さらに詳細な観察を行うため、拡大内視鏡(M-NBI)による精査を実施しました。病変周囲はJNET2A、中央の凹凸部はJNET2Bの所見でした。深部浸潤(cT1b)の可能性も考慮されましたが、検査時の検討により、まずは病変辺縁から十分なマージンを確保した内視鏡治療を先行する方針としました。

内視鏡治療後の病理診断と外科治療への連携

内視鏡治療にて切除した病変の病理組織結果は分化型腺癌であり、pT1(stalk invasion)として病変頸部の粘膜下層への浸潤を認めました。さらにEVG染色にて静脈浸潤(V1)が確認されたため、外来にて追加の外科的治療の必要性を丁寧に説明させていただき、速やかに連携先の総合病院外科へご紹介いたしました。

切除組織の適切な評価は治療方針の決定において極めて重要です。今回は当院の担当病理医および総合病院の病理医によるダブルチェック体制で術後評価を実施し、万全の体制で外科治療へと臨みました。正確な病理診断を行うことが最良の治療選択につながります。

本症例のように、画像強調内視鏡(IEE)の活用は精密診断に不可欠ですが、通常光観察(WLI)による全体像の把握が基本となります。病変の局所だけでなく全体を丁寧に観察することが、質の高い内視鏡診療には欠かせません。

内視鏡検査・治療画像の解説

左上 通常光観察(WLI)による病変の観察
右上 NBI弱拡大観察による病変範囲の評価
左下 NBI拡大観察による表面微細構造の診断
右下 病変切除後のクリッピング縫縮

大腸癌や内視鏡検査に関するお役立ち情報

 

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