今週の診療260301~ 3月と体調
院長の松岡です。
2026年3月1日を迎え、暦の上では春が本格的に始まろうとしています。当院の木々も少しずつ芽吹き始め、日差しに暖かさを感じる日が増えてきました。しかし、この3月という時期は、一年の中でも特に体調管理が難しい季節であることを、当院は日々の診察を通じて強く実感しています。三寒四温と言われるように、急激な気温の変化に体がついていかず、原因不明の倦怠感や頭痛、そして本格化する花粉症など、多くの患者さんが多様な「3月の不調」を抱えて来院されます。当院では、こうした季節の変わり目特有の症状に対し、単なる対症療法だけでなく、患者さん一人ひとりの生活環境や体質に合わせた丁寧な診療を心がけています。地域の内視鏡医として、皆さんがこの変化の大きい季節を健やかに乗り越えられるよう、消化器内視鏡の分野で全力を尽くしてサポートいたします。腹痛、血便、便秘、下痢などの症状の際は、どうぞお気軽に当院へご相談ください。
3月の激しい寒暖差が体に与える影響と主な症状
3月は、移動性高気圧と低気圧が交互に通過するため、天候が非常に不安定になります。前日は春のような陽気だったのに、翌日は真冬に逆戻りするといった気温の急降下が頻繁に起こります。このような激しい気温差は、私たちの体にとって大きなストレス因子となります。私たちの体は、自律神経の働きによって体温を一定に保とうとしますが、気温差が7度から10度を超えると、自律神経の調整機能が追いつかなくなることがあります。これを寒暖差疲労と呼ぶこともあります。
この時期に患者さんから多く寄せられる症状には、以下のようなものがあります。これらの症状は、特定の大きな病気が隠れているわけではなくても、日常生活の質を大きく低下させる原因となります。
- 激しい寒暖差に伴う頭痛や肩こり
- 全身の倦怠感や体が重いという感覚
- 冷えによる腹痛や下痢などの胃腸症状
- 気分の落ち込みやイライラ感
特に、冬の間は体が寒さに耐えるためにエネルギーを蓄えていますが、春に向かって代謝が上がる過程で、自律神経が過剰に働いてしまう傾向があります。富山の皆さんの診察をしていても、この時期は「寝ても疲れが取れない」と訴える方が非常に多いのが特徴です。当院はこうした症状が自律神経の乱れから来ているのか、あるいは他の疾患が原因なのかを慎重に見極めることを大切にしています。
寒暖差アレルギーと風邪や花粉症を見分けるポイント
3月に入ると、鼻水やくしゃみ、咳といった症状で受診される患者さんが急増します。この時期に紛らわしいのが、風邪、花粉症、そして寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)です。寒暖差アレルギーとは、急激な温度変化が鼻の粘膜を刺激し、自律神経の乱れを引き起こすことで、鼻水やくしゃみが出る状態を指します。アレルギーという名称がついていますが、花粉やダニなどのアレルゲンが原因ではありません。
これらを見分けるポイントは、鼻水の状態や熱の有無です。風邪の場合は、最初はサラサラしていても次第に黄色く粘り気のある鼻水に変わり、発熱や喉の痛みを伴うことが多いでしょう。一方で、寒暖差アレルギーや花粉症の鼻水は、透明で水のようにサラサラしているのが特徴です。また、寒暖差アレルギーの場合は、目のかゆみを伴わないことが一般的ですが、花粉症は強い目のかゆみがセットになることがほとんどです。ただし、これらの判断を患者さん自身で行うのは難しく、不適切な市販薬の使用で症状を長引かせてしまうケースも少なくありません。
当院では必要に応じて血液検査などで症状の原因を追究しています。通勤・通学で気温差の激しい環境を移動する方も多いため、環境要因を含めたアドバイスを行っています。原因を特定し、適切な処置を行うことで、予後を良好に保ち、不快な症状を早期に和らげることが期待できます。
春の自律神経の乱れ「春疲労」を防ぐための対策
「春疲労」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは夏バテと同じように、季節の変わり目に心身の不調が続く状態を指します。3月は進級や卒業、異動といった生活環境の変化も重なりやすく、精神的な緊張が自律神経のバランスをさらに崩しやすくします。当院では、こうしたなんとなくの不調を放置せず、生活習慣を見直すことが早期改善の鍵であると考えています。
家庭でできる対策として、まず意識していただきたいのは、体を内側から温めることです。冷たい飲み物を避け、白湯や温かいスープを摂るようにしましょう。また、入浴も効果的です。38度から40度程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、副交感神経が優位になり、リラックス効果が高まります。激しい運動よりも、散歩など軽い運動の方が、自律神経を整えるには適しているでしょう。
食事面では、自律神経の働きを助けるビタミンB1やマグネシウムを積極的に摂取することをお勧めします。豚肉やナッツ類、豆腐などは、この時期の疲れやすい体に優しい食材です。生活リズムを一定に保つことも重要です。朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びることで、体内時計がリセットされ、夜の睡眠の質が向上します。こうした小さな積み重ねが、3月の不安定な時期を乗り切るための強固な基盤となります。
スギ花粉の飛散ピークに向けた花粉症対策と治療
3月といえば、スギ花粉の飛散がピークを迎える時期です。すでに2月から症状が出始めている方も多いかと思いますが、3月は飛散量が最大になるため、これまで症状が軽かった方でも一気に悪化する可能性があります。花粉症は一度発症すると、放置して自然に治ることは稀であり、適切な治療を行わないと集中力の低下や睡眠不足を招き、仕事や勉強に大きな支障をきたします。
当院では、患者さんのライフスタイルに合わせた治療法の提案を行っています。眠気の出にくい抗ヒスタミン薬の処方や、点鼻薬、点眼薬の併用など、症状の強さに合わせて調整します。また、薬物療法だけでなく、日常生活での花粉回避術についても詳しく指導しています。外出時のマスクやメガネの使用はもちろん、帰宅時に衣服に付いた花粉を玄関の外で払い落とすといった習慣が、室内への花粉の侵入を防ぐために極めて有効です。
当院では、アレルギー検査によって「何に対して反応しているのか」を明確にすることをお勧めしています。スギだけでなく、ヒノキやイネ科など、反応する対象を知ることで、対策を立てる時期や期間が明確になります。毎年花粉症に悩まされている方は、症状がひどくなる前に早めにご相談ください。早期に治療を開始することで、ピーク時の苦しみを大幅に軽減できる可能性が高まります。
3月の体調不良に関するよくある質問
3月の不調で受診しても良い目安はありますか
日常生活に支障を感じる場合は、我慢せずに受診してください。例えば、頭痛で仕事が手につかない、夜中に鼻詰まりで目が覚める、疲れが数日間取れないといった症状は受診の十分な理由になります。何らかの疾患を否定するためにも、早めの診察が安心に繋がります。
花粉症の薬を飲むと眠くなってしまうのが心配です
現代の抗ヒスタミン薬には、眠気の出にくいタイプが多くあります。お仕事で運転をされる方や、受験勉強中の学生さんなど、個別の事情を伺った上で、生活に影響の少ないお薬を選択しますのでご安心ください。
寒暖差アレルギーは放っておけば治りますか
環境に慣れれば落ち着くこともありますが、自律神経の乱れが慢性化すると、他の体調不良を引き起こす原因にもなります。当院では漢方薬を用いた体質改善のアプローチも行っており、再発しにくい体づくりをサポートしています。
地域の皆さまが健やかな春を過ごせるように
3月の診療において、当院が何よりも大切にしているのは、患者さんの不安に寄り添うことです。季節の変わり目の不調は、周囲に理解されにくく「自分の気持ちの問題ではないか」と思い詰めてしまう方もいらっしゃいます。しかし、医学的な視点で見れば、3月の気候変化は人体にとって非常に大きな負担であり、不調が出るのは決して特別なことではありません。まつおか内視鏡内科は、そうした声にならない悩みをしっかりと受け止め、科学的な根拠に基づいた診療を提供しています。
当院の強みは、内科的な視点から全身の状態を把握し、自律神経やアレルギーなど、多角的なアプローチで治療を行える点にあります。特に3月は、心と体のバランスが崩れやすい時期だからこそ、時間をかけてお話を伺うことを重視しています。地域に根ざした消化器内視鏡クリニックとして、皆さんが安心して春の訪れを楽しめるよう、スタッフ一同、温かい対応を心がけております。少しでも胃腸に不安を感じたらお気軽に受診ください。一緒に最善の解決策を見つけていきましょう。
