食道裂孔ヘルニア esophageal hiatal hernia
症状:胸焼け/胸のつかえ感/胸痛/背部痛
胸腔と腹腔を隔てる横隔膜には食道/大動脈/下大静脈が通過する穴がそれぞれあります。その中の食道が貫通する穴を食道裂孔といい、その食道裂孔から胃の口側の一部分が胸腔に入り込んだ状態を食道裂孔ヘルニアといいます。
原因は①食道裂孔の緩みと②腹圧の上昇と言われています。
①加齢に伴う解剖学的後天的変化や先天的(生まれつき)原因で食道裂孔が緩み、かつ腹圧の上昇が加わることで食道裂孔ヘルニアが発症します。
②の原因としては肥満や慢性咳嗽
食道裂孔ヘルニアの存在により、胃から食道に胃酸が逆流することではじめて、胸焼け・胸部つかえ感・背部痛・咳などの所謂逆流性食道炎症状が出現します。
タイプは滑脱型(最多)、傍食道型、混合型の3分類に分類されています。
大半は無症状ですが、上記の症状が出現した際の治療は逆流性食道炎に準じた胃酸逆流を抑える内服治療が主となります。しかしながら内科的治療が奏功しない場合、稀ではありますが外科手術となることもあります。